先に違いを整理: Reverbは無数の反射音が重なった残響、Delayは元の音が時間を置いて聞こえる反復です。どちらも足すほど良いわけではありません。

1. Reverbは「部屋の響き」

部屋で手を叩くと、直接届く音のあとに壁や天井からの反射が重なります。Reverbは、その残響を再現または創作するエフェクトです。音を奥へ置いたり、別々に録られた楽器へ共通の空間を与えたりできます。

Decay / Time残響が消えるまでの長さ。長いほど大きな空間のように感じやすくなります。
Pre-delay元の音から残響が始まるまでの時間。少し空けると輪郭を残しやすくなります。
Damping / Tone残響の明るさや、高域が減衰する速さを調整します。
Mix元の音(Dry)と残響(Wet)の割合です。

2. Delayは「時間差のある繰り返し」

山びこのように、元の音を一定時間後にもう一度鳴らします。短いDelayは厚みを作り、テンポに合った長いDelayはリズムや隙間を埋めるフレーズとして使えます。

Delay Time次の反復までの時間。ms指定と、1/4や1/8などテンポ同期があります。
Feedback反復をDelayへ戻す量。上げるほど繰り返しが長く続きます。
Filter / Tone繰り返し音の明るさを整え、元の音と区別しやすくします。
Mix元の音と反復音の割合です。
Tempo-synced delay元の音 ● ── 1/4 ── ● ── 1/4 ── ●

3. InsertとSendの違い

INSERT

トラックへ直接かける

その音専用の空間を細かく作れます。MixでDry/Wetの割合を調整します。

SEND

共通のEffectへ送る

複数トラックで同じReverbを共有し、同じ部屋にいる感覚を作りやすくなります。

Send先のReverbやDelayはWet 100%にし、各トラックのSend量で加える量を決める構成が一般的です。ただしDAWのルーティングにより設定方法は異なります。

4. 濁らせずに奥行きを作る

  1. いったん大きめにして種類を選ぶRoom、Hall、Plateなどの違いを確認してから量を下げます。
  2. Decayを曲の隙間に合わせる次の音まで残響が重なりすぎるなら短くします。
  3. Pre-delayで元の音を守るVoiceやMelodyの言葉・輪郭を前に残したいときに試します。
  4. 不要な低域や高域をFilterする残響のBassが積み重なる、Delayが刺さるときはEffect側の帯域を整えます。
  5. 全体で聴いて少し戻すSoloで気持ちいい量は、曲全体では多すぎることがあります。
  • Reverbの長さが曲のTempoや隙間に合っている
  • Delayの反復が主旋律と競合していない
  • 低域の残響がKickやBassを覆っていない
  • Bypassすると狭すぎるが、Onでも輪郭が残っている

まとめ

Reverbは空間の残響、Delayは時間差のある反復を作るエフェクトです。

曲のTempoと隙間に合わせ、元の音の輪郭が残る範囲で加えましょう。空間系は「聴こえるかどうか」より、「なくすと寂しい」くらいがちょうど良い場面もあります。

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