最初の目標: 音圧を上げることより、「飛び出す音を少し抑える」「Attackを残して輪郭を作る」など、役割を1つ決めて使います。
1. 大きな部分だけを自動で下げる
小さい音と大きい音の差をDynamic Rangeと呼びます。コンプレッサーは、設定した境界より大きな部分を決めた割合で抑え、その差を小さくします。
小さい音 ─── そのまま | 大きすぎる音 ─── 少し下げる処理によってPeakが下がったあと、Makeup Gainで全体を持ち上げると、結果として平均的な音量を大きく感じることがあります。しかし、使いすぎると演奏の表情や瞬発力が失われます。
2. 5つの基本パラメータ
| Threshold | どのレベルを超えたら圧縮を始めるか。下げるほど多くの部分が対象になります。 |
|---|---|
| Ratio | 境界を超えた音をどの割合で抑えるか。2:1より4:1の方が強い圧縮です。 |
| Attack | 境界を超えてから圧縮が効くまでの速さ。 |
| Release | 音が境界より下がったあと、圧縮が戻るまでの速さ。 |
| Makeup Gain | 圧縮で下がった出力レベルを補うための音量。 |
Gain Reductionメーターは、今どのくらい音量を下げているかを表示します。設定値だけでなく、この動きと音の変化を一緒に見ましょう。
3. AttackとReleaseで音の動きが変わる
最初の瞬間から抑える
鋭いPeakを整えやすい反面、DrumやPluckの輪郭が弱くなる場合があります。
音の頭を少し通す
最初のAttackを残せますが、Peakを強く抑える目的には向かない場合があります。
早く元へ戻る
音量変化へ素早く追従します。速すぎると不自然な揺れや歪みを感じることがあります。
ゆっくり元へ戻る
なめらかに動きますが、次の音まで抑え続けてしまう場合があります。
絶対的な正解はありません。楽器のリズムに合わせ、Gain Reductionが自然に戻る場所を耳とメーターで探します。
4. 自然に設定する手順
- 目的を1つ決めるVoiceの飛び出しを抑える、Bassを安定させる、DrumのAttackを整える、などです。
- Ratioを控えめに設定するまずは弱めの圧縮から始め、必要なら後で強くします。
- Thresholdを下げて動きを見るGain Reductionが目的の箇所で反応する位置を探します。
- AttackとReleaseを曲に合わせる音の頭と戻り方を聴き、Grooveを壊していないか確認します。
- 処理前後の音量をそろえるMakeup Gainで大きさを合わせ、Bypass時と公平に比べます。
やりすぎのサイン: 音の頭が消える、呼吸するように不自然に揺れる、全体が平坦になる、常に大きなGain Reductionが続く。気づいたら一度弱めましょう。
まとめ
コンプレッサーは、Thresholdを超えた音をRatioに従って抑え、Dynamic Rangeを整える道具です。
Attack、Release、Gain Reductionを確認し、処理前後の音量をそろえて比較することが、理解への近道です。