大切な考え方: EQは「良い音にする魔法」ではなく、目的に合わせて周波数バランスを変える道具です。何を直したいか決めてから触ります。

1. 周波数は音の「低さ・高さ」

音の振動が1秒間に何回繰り返されるかをHz(ヘルツ)で表します。数値が小さいほど低い音、大きいほど高い音です。人が聴ける範囲には個人差がありますが、音楽制作ではおよそ20 Hz〜20 kHzを目安として扱います。

LOW

低域

KickやBassの重さ、地面を支える感覚。多すぎると濁りやすくなります。

MID

中域

Voiceや多くの楽器の存在感。曲の情報が集中しやすい帯域です。

HIGH

高域

Hatの細かさ、息づかい、明るさ。増やしすぎると耳に痛く感じます。

低域・中域・高域の境目は厳密な壁ではありません。楽器や目的によって注目する場所は変わります。

2. Frequency・Gain・Qを理解する

Frequencyどの周波数を中心に調整するかを選びます。
Gain選んだ範囲を増やす(Boost)か、減らす(Cut)かを決めます。
Q / Bandwidth調整する範囲の広さ。Qが高いほど狭く、低いほど広くなる製品が一般的です。

広い範囲を少し動かすと音色全体が自然に変わり、狭い範囲を大きく動かすと特定の共鳴へ強く働きます。まずは小さく動かし、曲全体で違いを聴きましょう。

3. よく使うFilterの種類

Bell / Peak中心周波数の周りを山または谷の形で調整します。
High-pass設定した位置より低い成分を徐々に減らします。Low-cutとも呼ばれます。
Low-pass設定した位置より高い成分を徐々に減らします。High-cutとも呼ばれます。
Low / High Shelf境目より低い側または高い側を、棚のようにまとめて増減します。

POINT: High-passを全トラックへ自動的に入れる必要はありません。必要な低域まで消して音が薄くならないか、必ず聴いて判断します。

4. EQを使う順番

  1. 問題を言葉にする「こもる」「刺さる」「BassとKickがぶつかる」など、直したい点を1つ決めます。
  2. 曲全体で該当箇所を探すSoloで探すことは有効ですが、最終判断は他の音と一緒に行います。
  3. 小さくCutまたはBoostするCutが正解、Boostが間違いという決まりはありません。必要な方向へ控えめに動かします。
  4. 音量差をそろえて比較する処理後が大きいだけで良く聞こえていないか確認します。
  5. 良くならなければ戻すEQを使わない選択も正解です。音色や演奏、音量バランスを直す方が早い場合もあります。
  • 画面のカーブより、実際の音を聴いている
  • 1つのトラックだけでなく、曲全体で確認している
  • 大きなBoostやCutに理由がある
  • Bypassした方が良ければ迷わず戻せる

まとめ

EQは周波数ごとの音量を変え、楽器同士が聴きやすく共存できるようにする道具です。

Frequency、Gain、Qの役割を押さえ、問題を決めてから少しずつ動かしましょう。

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